ギターを学び始めたばかりの初心者から、すでにある程度の技術を持つ中級者まで、多くのギタリストが一度は耳にしたことがある「ペンタトニックスケール」。
このスケールは、シンプルで覚えやすく、さまざまな音楽ジャンルで活用できるため、ギタリストにとって必須のスキルと言えるでしょう。
理論だけではなく、実際に演奏することでその魅力を最大限に引き出すことができます。
そこで、この記事では今回はペンタトニックスケールを習得するためにロック、ブルース、ジャズなど、幅広いジャンルのおすすめ練習曲を10曲紹介します。
これらの曲を練習することで、ペンタトニックスケールの基本的な使い方から、応用的なテクニックまで、段階的に習得することができるでしょう。
ペンタトニックスケールを身につけることは、即興演奏やソロの幅を広げるためにも非常に重要です。
この記事を参考にして、ぜひあなたもペンタトニックスケールの達人を目指してください。
ポイントと練習のコツも併せて紹介していきますので、最後までお読みいただけると幸いです。
目次
- ペンタトニックスケールを習得することのメリット
- おすすめな練習曲10選
- 1. "Sunshine of Your Love" - Cream
- 2. "Smoke on the Water" - Deep Purple
- 3. "Back in Black" - AC/DC
- 4. "Crossroads" - Eric Clapton
- 5. "Voodoo Child (Slight Return)" - Jimi Hendrix
- 6. "Sweet Child O' Mine" - Guns N' Roses
- 7. "Little Wing" - Jimi Hendrix
- 8. "Hotel California" - Eagles
- 9. "Stairway to Heaven" - Led Zeppelin
- 10. "Purple Haze" - Jimi Hendrix
- 練習のまとめ
- 最後に
ペンタトニックスケールを習得することのメリット
即興演奏の基礎
ペンタトニックスケールは即興演奏(インプロビゼーション)の基盤となります。
このスケールを覚えることで、コード進行に合わせた自由なソロを演奏できるようになります。
幅広い音楽ジャンルでの応用
ロック、ブルース、ジャズ、ポップスなど、さまざまなジャンルで使用されるため、ペンタトニックスケールを習得することで多様な音楽スタイルに対応できます。
リフとソロの作成
有名なリフやソロの多くがペンタトニックスケールを基にしているため、このスケールを理解すると、既存の曲を分析しやすくなり、自分のリフやソロの作成にも役立ちます。
耳コピを行う際にも、ペンタトニックスケールを理解していることによるメリットを感じることができるかと思います。
音楽理論の理解向上
ペンタトニックスケールを学ぶことで、音楽理論の基礎的な部分(スケール、コード、モードなど)への理解が深まります。
これにより、より複雑なスケールや理論にもスムーズに移行できます。
表現力の向上
ペンタトニックスケールは音数が少ない分、各音のニュアンスや表現に集中しやすくなります。
ベンド、スライド、ビブラートなどのテクニックを駆使して、感情豊かな演奏が可能になります。
これらのメリットから、ペンタトニックスケールはギタリストにとって欠かせないスキルです。
それでは本題ですが、おすすめの練習曲10選を紹介していきます。
おすすめな練習曲10選
1. "Sunshine of Your Love" - Cream
概要
エリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ピート・ブラウンによって作成されたこの曲は、クラプトンの強力なギターリフとブルースの力強いボーカルが特徴です。
この曲はクリームの代表作であり、サイケデリック・ロックとブルース・ロックの融合として評価されています。
特にその独特なギターリフは、多くのギタリストに影響を与えました。
ポイント
- メインリフがペンタトニックスケールに基づいている
- リフを反復することで、ペンタトニックの形を手に覚えさせる
練習のコツ
- ゆっくりとしたテンポで練習し、正確な指使いを確認する
- リフを繰り返し演奏し、スムーズに弾けるようにする
2. "Smoke on the Water" - Deep Purple
概要
歌詞はモントルー・ジャズ・フェスティバルの会場であるカジノが火災に関して書かれたました。
リッチー・ブラックモアの作ったシンプルで力強いギターリフは、ロックの歴史において最も有名なリフの一つで、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
この曲はディープ・パープルの最大のヒット曲の一つであり、多くのギタリストにとって必修曲となっています。
ギターソロがペンタトニックススケールが使用されていますので、意識しながら練習してみてください。
ポイント
- 簡単なリフでペンタトニックスケールの基本形を習得
- 力強いリフでリズム感を養う
練習のコツ
- ピックの使い方に注意し、音がクリアに出るようにする
- 繰り返し演奏し、正確なタイミングを意識する
3. "Back in Black" - AC/DC
概要
「Back in Black」は、1980年にリリースされたAC/DCの同名アルバムに収録されています。
このアルバムは、バンドの元ボーカリスト、ボン・スコットの死後に新ボーカリスト、ブライアン・ジョンソンを迎えて制作されました。
タイトル曲「Back in Black」は、スコットへのオマージュとして書かれ、力強いリフとジョンソンの独特のボーカルが特徴です。
この曲はAC/DCの代表作であり、ハードロックのクラシックとして広く認識されています。
ポイント
- リフとソロがペンタトニックスケールを活用
- ロックの基本的なリズムとフィーリングを体得
練習のコツ
- メトロノームを使ってテンポを一定に保つ
- オリジナルの録音に合わせて演奏し、フィーリングをつかむ
4. "Crossroads" - Eric Clapton
概要
「Crossroads」は、エリック・クラプトンがクリーム時代に演奏したブルースの名曲です。
元々はロバート・ジョンソンによって書かれた曲で、クラプトンはそのギタープレイと共に、この曲をロックに取り入れました。
クラプトンのバージョンは、彼の卓越したギターテクニックと即興演奏が際立つライブパフォーマンスで知られています。
特に1968年のアルバム『Wheels of Fire』に収録されたライブバージョンは、クラプトンのキャリアを代表する名演として評価されています。
ギターソロが長いので覚えるのが大変ですが、ペンタトニックスケールを使用した良いフレーズが多いですの、習得する価値ありです。
ポイント
- ブルースの定番曲でペンタトニックの応用を学ぶ
- ソロ部分がスケール練習に最適
練習のコツ
- ゆっくりとしたテンポでソロを分解し、部分ごとに練習
- フィンガリングを正確に行い、音がクリアに出るようにする
5. "Voodoo Child (Slight Return)" - Jimi Hendrix
概要
この曲はヘンドリックスの卓越したギタープレイの典型であり、彼のエフェクトとワウペダルの使い方が際立っています。
ロックギターを語るうえでジミーヘンドリックス(ジミヘン)は外せないでしょう。
即興演奏のような構成と、力強いリフが特徴です。
この曲はヘンドリックスのライブの定番であり、彼の伝説的なギターテクニックを象徴する作品として高く評価されています。
ポイント
- ペンタトニックスケールを使った多彩なリフとソロ
- エクスプレッションの練習に最適
練習のコツ
- ワウペダルを使用して、エフェクトのかけ方を学ぶ
- 弦を押さえる力加減に注意し、バランスの取れた音を出す
6. "Sweet Child O' Mine" - Guns N' Roses
概要
この曲は、スラッシュの独特のギターメロディから始まり、アクセル・ローズの感情豊かなボーカルが続きます。
歌詞はローズの当時の恋人にインスパイアされています。
この曲はガンズ・アンド・ローゼズの最大のヒット曲の一つであり、MTVの影響力もあって広く人気を博しました。
ポイント
- アルペジオ部分がペンタトニックスケールを活用
- メロディックなソロでスケールの美しさを体感
練習のコツ
- ゆっくりとしたテンポで練習し、正確なピッキングを行う
- メロディラインを丁寧に弾き、音のつながりを意識する
7. "Little Wing" - Jimi Hendrix
概要
またですが、ジミヘンです。
この曲は、ヘンドリックスの詩的な歌詞と独特のギターワークが融合した美しい作品です。
短い曲ですが、その中でヘンドリックスは多くの感情と技巧を詰め込んでいます。
「Little Wing」は多くのギタリストに影響を与え、カバーも数多くされています。
ポイント
- ペンタトニックとメジャースケールの融合
- 感情豊かなプレイスタイルを学ぶ
練習のコツ
- スローテンポでリフを繰り返し練習し、フィーリングをつかむ
- ベンドやビブラートを意識的に練習し、表現力を高める
8. "Hotel California" - Eagles
概要
歌詞はアメリカン・ドリームの暗い側面を描いており、ドン・ヘンリーとグレン・フライによって書かれました。
ジョー・ウォルシュとドン・フェルダーのツインギターソロは特に有名で、この曲はイーグルスの代表作として広く知られています。
1977年のグラミー賞で最優秀レコード賞を受賞しました。
ポイント
- ソロがペンタトニックをベースに展開
- 長いソロでスケールの応用力を養う
練習のコツ
- ソロを部分ごとに分解し、少しずつ練習
- メトロノームを使ってリズムを一定に保つ
9. "Stairway to Heaven" - Led Zeppelin
概要
この曲は、ジミー・ペイジのアコースティックギターイントロから始まり、ロバート・プラントの詩的な歌詞が続きます。
曲が進むにつれて、エレクトリックギターとドラマチックなクライマックスへと展開します。
「Stairway to Heaven」はロックの名曲として広く認識され、ライブでの定番曲でした。
ポイント
- ソロ部分がペンタトニックスケールを駆使
- アルペジオとソロのバランスを学ぶ
練習のコツ
- ソロをゆっくりとしたテンポで練習し、フィンガリングを正確に
- アルペジオ部分も丁寧に弾き、スムーズなつながりを意識する
10. "Purple Haze" - Jimi Hendrix
概要
ジミ・ヘンドリックスが作詞・作曲を手掛けたこの曲は、彼の革新的なギタープレイと独特な歌詞が特徴です。
曲の冒頭にあるギターリフは、ロック音楽史上でも最も認知度が高く、影響力のあるものの一つです。
歌詞はしばしばドラッグに関連づけられますが、ヘンドリックス自身はSF小説や夢の中のイメージにインスパイアされたと述べています。
曲は当時のロックシーンに大きな衝撃を与え、ヘンドリックスの名声を確立する一助となりました。
「Purple Haze」は、彼の革新的なサウンドとエネルギッシュなパフォーマンスを象徴する楽曲であり、ジミ・ヘンドリックスの代表作の一つとして今なお愛されています。
ポイント
- ペンタトニックスケールのリフとソロが豊富
- 速いフレーズの練習に最適
練習のコツ
- 速いフレーズはゆっくりとしたテンポで始め、徐々に速度を上げる
- 正確なピッキングとフィンガリングを意識し、音がクリアに出るようにする
練習のまとめ
ペンタトニックスケールを習得するための練習曲を通じて、以下のステップで効果的に練習を進めましょう。
基本形の習得
- スケールの指使いとポジションを覚える
- メトロノームを使って正確なリズムで弾く
リフとフレーズの練習
- 上記の曲のリフを反復して練習
- 指使いを正確にし、フィーリングを体得
ソロの練習
- ゆっくりとしたテンポでソロを分解し、部分ごとに練習
- ベンドやビブラートなどのテクニックを磨く
即興演奏の練習
- バッキングトラックに合わせて即興演奏を試みる
- ペンタトニックスケールを使ったフレーズを自分で作成し、演奏
表現力の向上
- 曲全体の流れを意識して練習
- 演奏に感情を込め、表現力を高める
最後に
ペンタトニックスケールは、ギタリストにとって基本かつ非常に強力なツールです。
今回紹介した10曲を通じて、ペンタトニックスケールの多彩な使い方を学び、その応用力を高めてください。
各曲は異なるジャンルやスタイルで構成されており、それぞれの曲がペンタトニックスケールをどのように活用しているかを学ぶことで学びになることも多いかと思います。
特に、ブルースやロックのジャンルでは、ペンタトニックスケールが多用されるため、これらの曲を習得することで即興演奏やソロのスキルも向上します。
また、練習を続けるうちに、ペンタトニックスケールのパターンが自然と指に馴染み、スムーズに演奏できるようになることでしょう。
これらの曲に慣れてくれば、ペンタトニックスケールを基盤にして、他のスケールやモードの学習にも挑戦してみることもおすすめです。
そうすることで、より豊かな音楽表現が可能となり、ギタリストとしての幅が広がります。焦らず、自分のペースで楽しみながら練習を続けてください。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。