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「二度と行きたくないのに、また行きたくなる国」――私が見たリアルなインド

魅惑と混沌の国、インドで体験したこと

インド――それは訪れる者を強烈に惹きつける国。現地在住の日本人によると、観光で訪れたはずがインド特有の空気に魅了され、永住を決意する人も少なくないそうです。
一方で、旅好きの中には「一度行って良かったけど、もう二度と行きたくない」と語る人も多いのも事実。私もその一人です。今回は、そんなインドでの印象深い経験をお話しします。

宗教と日常

インドは多宗教国家で、特にヒンズー教とイスラム教の影響が生活の隅々にまで息づいています。

ある日、ボブ・マーリー好きのインドの青年と話していたとき、私が「レゲエの神様」と言った瞬間、彼は表情を曇らせ「違う!神はアッラーだけだ」と強く否定。その後もしばらく不機嫌な様子でした。宗教観の違いを痛感した瞬間です。

また、「私にお金をくれれば、良いカルマが…」とお金を求めてくる老人にも出会いました。私は断りましたが、裕福な旅人は“カルマ積み”を体験してみるのも一興かもしれません。

残る身分制度の

1950年、インド憲法第17条でカースト差別は禁止されました。しかし、現実はまだ完全に変わっていないようです。

駅のホームで、雨宿りしようとした5〜6歳の男の子が駅員に棒で殴られ、泣きながら雨の中へ走っていく光景を目にしました。日本では考えられないことですが、インドでは今もこうした現実が残っています。

生活環境のギャップ

私が泊まった宿はすべて100〜400ルピーの安宿。
共通していたのは「お湯が出ないシャワー」「動かないエアコン」。
「ある」と言われて行ってみると、ただ存在しているだけで機能しない…そんなことも日常茶飯事。もっとも、私は安さを重視していたので大きな不満はありませんでした。

インド人の人間味

良いことも悪いことも書きましたが、それでも私がインドを好きになったのは、インド人の圧倒的なフレンドリーさです。駅で電車を待っているだけで、気づけば10人ほどの輪になって会話が始まる――そんなことが何度もありました。

ネット上では「日本語で話しかけてくるインド人は信用するな」とよく言われますが、私の経験では8割が好意的な人でした。過去に日本に住んでいて、日本好きだからとカレーをご馳走してくれた人もいました。

旅で得られるもの

「インドで自分探し」という言葉をよく耳にしますが、簡単に答えは見つからないでしょう。ただ、人間の温かさや、普段の生活のありがたさを深く感じることは間違いありません。

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